2019/12/3の記事です。
中国が主要国では初めてとなるデジタル通貨の発行を視野に入れ始めた。すでに制度設計を終え、地域限定での試験発行の準備を進める。キャッシュレス化が進む中国で現金の流通をさらに減らし、金融機関の負担を軽くする。海外への現金持ち出しによる資本流出を防ぐ狙いもあるとみられる。中長期的には人民元を国際化し、ドル覇権に対抗する思惑も透ける。
“デジタル人民元、発行視野 国内優先、決済を監視” – 日経新聞 より一部抜粋
中国が人民元のデジタル化発行を検討しているようです。
すでに制度設計も終えているようで、実現されれば
現金や紙幣はなくなっていくかもしれません。
詳しく解説していきます。
記事の後半では日本への影響等も考察しています。
記事中では理解優先で難し良い話をなるべくカットしています。
箇所によっては多少語弊があるかもせいれません。
数字の根拠、詳しい状況等も知りたい方は
脚注や文中に参考文献のリンクも載せているのでそちらもご確認下さい。
人民元デジタル化の狙い
2014年から人民元の電子化は研究されています。*1
そして2019年現在制度設計を終え
地域限定での試験発行手前、
といった感じのようです。
デジタル化の狙いとしては
- 紙幣や硬貨など現金の代替
- 銀行は事務負担を減らせる
- 資金移動を把握しやすくなる。
- 犯罪や資金洗浄(マネーロンダリング)を防ぐ
- リブラへの牽制
- 人民元の国際化(長期的目標)
等が挙げられます。
太字の2点を深堀りします。
(デジタル化の狙い)資金移動を把握しやすくなる。
人民元をデジタル化することにより
政府が資金移動を把握、管理しやすくなります。
中国はすでにキャッシュレス超大国
中国では既にかなりキャッシュレスが進んでおり、
2019年現在、7億人超がモバイル決済を利用しています。*2
人工は約13億9538万人(2018年現在)なので
5割強はキャッシュレスを利用していることになりますね。
まさかのお年玉もキャッシュレス化しているそうです。びっくり。
中国のキャッシュレス化が進む背景
中国のキャッシュレス化が進む背景には
- 銀聯カード(ユニオンペイ)の普及
- 高額紙幣が存在しない
(100元=約1,500円が最大紙幣) - 偽札問題
- Alipey/WeChat Payの普及
などがあります。
こうしたキャッシュレス化が進んでおり
電子決済に抵抗がなくなっているというのも
人民元デジタル化をすすめる要因の一つであると考えられます。
銀聯カードって何?Alipayってなに?という方や
それらが普及していった理由を知りたい方は下記サイトを参照下さい。
キャッシュレスが進んでいるのに国の通貨をデジタル化しようといている理由
“民間でキャッシュレスが進んでいるなら国が整備しなくてもいいのでは”
という意見もあるかもしれませんが、
銀行外の決済企業が海外送金の上限金額などの
規則を守らない場合が多く中国人民銀行は警戒を強めており
実際に罰則が与えられるケースも出てきています。
海外送金の上限金額を設定している理由は
海外への資本流失を止めたい。
=人民元の価値を下げたくない。
という感じでしょうか。
また国際取引されている資本のうち
5〜10%が現金で動きが把握できておらず、
この現金部分をデジタル化によって把握をしたい
というのも狙いのようです。
(デジタル化の狙い)リブラへの牽制
中国は米Facebook社が開発中のデジタル通貨「libra(リブラ)」
を警戒しています。
リブラについて理解したい人は
この2本の動画を見るとわかりやすいかと思います。
www.youtube.comwww.youtube.comさすがあっちゃん。わかりやすいです。
この動画公開後少し状況が変わり、
G20が開催され、リブラは認めない!
という規制する方向で進んでいます。
ですが中国はリブラがサービスを開始し、
欧米国諸国側の通貨基盤として機能しだすことを恐れて
先手を打つ形で人民元のデジタル化、
更にはデジタル化した人民元を国際的に利用できるようにし
世界経済で優位に立とうとしています。
日本への影響は?
*以下個人的見解をふんだんに含みます。
ただちに影響はありません。
すみません、言いたかっただけです。
株価や経済指数等に影響が出るかなと。
庶民の実生活においてはさほど影響はないかと思います。
中長期的には影響がありそう
今後日本円もほぼ間違いなくデジタル化していくかと思います。
日本は2019年がキャッシュレス元年とも
呼ばれるぐらいキャッシュレスが流行り
スーパーではおばあちゃんがスマホ片手に
pay●ayをする姿も珍しくなくなりました。
今までは円を介在した商取引でしたが
- ポイントでの支払い
- 電子マネーでの支払い
- ビットコイン等仮想通貨での支払い
などは円を介在せずとも利用できます。
キャッシュレスの普及に伴い、
今後も決済金額を伸ばしていくような雰囲気が漂っています。
この流れで法定通貨のみが紙幣、硬貨のままなのは非合理的だし
全額と言わなくとも、円としての流通額の多くが
デジタル化するのではないかと思っています。
ちなみに僕は財布を持たない・現金は緊急用のみ
のキャッシュレスの生活をしていますがほぼ不便なく生きれています。
(不便ポイントは、コインパーキング、飲食店、地方の観光施設ぐらいかな、と)
時勢には逆らえないので
今後はどの様になっていくのか考察しながら
適応していくのが良いかと思います。
今日の やってみよう
- 中国のキャッシュレス事業をざっくり把握してみよう。
- 来年のお年玉はキャッシュレスで送ってみよう。