今日は広告のお話です。
アナ雪2のステマ疑惑が話題になったり
京都市が芸人に1ツイート50万払ったのが問題になったり
何かと広告の話題を目にすることが多くなりましたね。
近年ではインフルエンサーやYouTuberなど
個人で広告を扱う機会が多くなっています。
僕は現在、広告代理店で勤めており
会社員としても個人としても
広告に関わる機会が多くあります。
記事の前半ではWEB広告の出現により
広告市場が大きく変化していることについて解説しています。
そして記事の後半では広告市場の考察を行い、
今後どのような広告手段か、例を挙げつつ考察しています。
広告に関わりのない方でも
これからの時代の判断材料の一つになるかと思います。
【前半】広告市場は大きな構造変化の真っ只中にある。
従来
メディア毎に「決め打ち」で広告を出す
または
ブランディングならテレビCM・新聞コンバーション(反響)狙いなら
デジタル・新聞折込 など
メディアの役割を固定化した上で
配分を考えることが広告戦略の基本
現在
広告のターゲットである生活者がどのように情報に接しているかを精査し
そこで把握したコンタクトポイントに対していかに広告を置いていくか
多数のメディアを使う人が多い現状からすると
特定のメディアへの決め打ちではなく
ターゲットの行動に合わせ
オンライン・オフラインを問わず
複数のメディアを効率的に組み合わせて
広告を配置することが求められている
単純に広告市場がマス媒体から
ネットにシフトしているのではなく、
広告の配置の仕方自体が変わっています。
インターネット広告だけでは解決できない課題に対して、
データやテクノロジーを駆使し、
従来からある媒体の強みと相乗させることによって解決する
「統合ソリューション」が深化している
広告市場状況は大きな構造変化をしています。
視点を変えて深堀りします。
広告でモノが売れない時代になった
広告でモノが売れない時代になった。
少し前までは情報源は限られており、
テレビ、ラジオのCM、新聞広告などが情報の主源泉でした。
それが近年スマホの普及で情報過多が進み、
誰でも求めている情報に容易にアクセスがしやすくなりました。
そのことにより
- 情報を得るリソースが増えた
↓ - 各媒体の情報価値が薄れていった
↓ - 従来型の広告の反響が少なくなった
(広告でモノが売れなくなった)
↓ - 企業は効果のでる広告を模索する
↓ - 広告に費用対効果を求めていく
新たなマーケティング手法を探す
といった状況です。
広告に対して企業は費用対効果を求める時代に。
このような市況もあり近年企業は広告に対してより
費用対効果を求めるようになりました。
繰り返しになりますが
- 不況による売上不調(業界・業種による)
- 情報が過多になりすぎた
- インターネット広告の出現により、効果測定の数値化が容易にできるようになった
- 広告でモノが売れなくなった
などの理由があります。
広告効果の“見える化”
特にコンバージョンの見える化、
効果の数値化できるようになったことは大きい要因です。
マス広告など従来型の広告の多くは効果の検証が難しく、“運用”が難しいという特徴があります。
特徴のまとめると
- 配信数、部数を多くし配信する
=マス(多数)に対する広告 - ターゲットは媒体の読者、視聴者特性をみてざっくりと設定
- 効果想定は反響数のみ、どこで決定したのか、どこで離脱したのか測定出来ない
- “広告運用”はしずらい。基本的にPLAN,DOの繰り返し
といった感じです。
それに対してWEBでは、
- どんな人に広告を表示させるか設定して発信できる
=性別、年齢、居住地、興味など - 誰がどれぐらいその広告を見たか、どれぐらいアクションをとったか、どれぐらいの時間見られたかなどが数値で確認できる
- 個人でも広告出稿が容易に
などがあります。
今まではブランディング、社名、商品周知、税金対策などで
費用効果が出なくてもよい広告が多くありました。
それらの広告が多かったことも有り、本来反響や販促狙いの広告でさえ費用対効果が出なくても即効性、手軽さなどの面で評価されていました。
(故に広告代理店も結構適当でコンバージョン(反響)に対して関心も無い営業がほとんどだったり、します。。)
新聞やテレビなど決まった媒体に出せばそれなりに反響が出ていました。
しかし上記のように
- 業績不振により予算がシビアになったこと
- WEB広告で効果測定が容易になったこと
- 出稿ができるようになったこと
などの要因により企業は費用対効果を求めるようになっていきました。
【後半】広告市場の考察・これからの広告手法の提案
ここから後半パートに入っていきます。
前半ではWEB広告の出現により
広告市場が大きく変化していること
費用対効果が求められるようになってきたということをお伝えしました。
後半では広告市場の考察を行い、
今後どのような広告手段が有効か例を挙げつつ考察します。
日本の広告市場は7年連続プラス成長
現在、日本の広告市場はプラス成長しています。
(出典:2018年 日本の広告費 – ニュースリリース一覧 – ニュース – 電通)
震災で減ったものの、その後は毎年増え続けてる感じですね。
インターネット広告の急速な発達
ざっくりなぜ広告の市場規模が伸びているかというと
インターネット広告の急激なシェアの上昇があります。
2014年→2018年の
広告費の種別の市場比率比較すると
とインターネット広告の
市場規模が大きく広がってきています。
10年前までは広告といえばマスの媒体!という流れがメインだったのですが
この10年で大きく変わりましたね。
このデータが2018年の数字なので
2019年末現在だと
30%以上はインターネット広告になってるかと思います。
ブログを読んで頂いてる方には
この伸びの実感を感じて居られる、
理解の有る方が多いかと思います。
ぶっちゃけテレビも見ないし新聞はとってない
“WEB広告で十分じゃん”
“新聞とってないし。。”
と思われている方も多くいると思います。
近年ではWEBマーケティングやっているけど
マス媒体、紙媒体の取り扱いをしていない広告屋も増えてきました。
僕自身新聞をとっていませんしテレビもほぼ見ません
ですが新聞折込チラシを作ったり売ったりもしています。
流れがWEBに有ることも事実ですが、紙媒体、マス媒体の特徴を捉えつつ、リアルとWEBを両方を使いこなすのが最適解だと思っています。
解説と具体的な提案をします。
といいつつ依然マス広告強しの市況
インターネット広告の増加も素晴らしいですが
とはいっても未だに
新聞・テレビ・ラジオ・雑誌
の4大マス広告の広告費が全体の4割程度を占めておることも事実です。
特に近年この4大マス広告の
デジタル化も進んでおり
- テレビ・・・TVer(ティーバー)
- ラジオ・・・radiko.jp
- 新聞・・・電子シフトが進行。各紙電子化を推進中。日経電子版がわかり易い例?
- 雑誌・・・紙媒体→徐々に電子化
(現在雑誌全体の売上の40-50%は電子版の売上とデジタルシフトが進んでいる)
テレビ・ラジオではアプリを通しての配信、広告収入
新聞、雑誌は媒体を紙→電子化をすすめているような状況です。
従来型の広告の変化
マス媒体がデジタル化を進めていくように従来型の広告の変化が進んできています。
例えば
- 野外看板・交通広告・・・
デジタルサイネージ化 - チラシ・・・
QRコードなどを載せ紙で紙で興味付け、クロージングはWEBで行う - DM・・・EC(通販)サイトの場合
かご落ち(商品がかごに入ったまま買われていない)している人にDMを送り訴求する
などがあります。
僕自身WEBアクティブ層なのですが、
未だに多くの方が紙だったり
リアルの広告をみています。
ピーク時に比べ、リアルの広告の
反響数は減っているかもしれませんが、
このようにWEBと組み合わせたり、
新しい手法を交えることにより
WEBとリアルのいいとこ取りの
ような広告プランが作れたりします。
一つ例を挙げて解説します。
WEBとリアルの成功事例①)メルカリ
ほとんどの方がメルカリを知っていると思います。
CMもやっていたりするメルカリですが
やはりユーザーは若い層が多いイメージです。
メルカリは2018年末に新聞折込チラシを出し、話題になりました。*3
こちらです。
なんかよく見るチラシなデザインですよね。
しかしさすがメルカリ、個人間取引だけあって値段が圧倒的に安いです。
ターゲットししてはスマホの非アクティブ層の40台以上を狙っており
愛知県・北海道の地域限定で折込チラシですがかなりの反響があったようです。
WEBとリアルの成功事例②)京都新聞
京都新聞の令和元年5月1日の紙面の名刺広告が話題になりました。
名刺広告自体は企業や個人をPRする
シンプルな新聞紙面広告なのですが、
天皇の御即位に合わせて神社の名刺広告を集めて掲載することにより
話題性を生み、読者が写メってツイート、そしてバズりました。
視野を広げて考えてみる。
この様に紙面だけでの広告でもネットでの拡散される可能性もあり
純粋にネット広告だけを出していても
得られなかったような拡散力が得られる場合があります。
これらは一例ですが、
- 今までWEB広告しか取り扱ってこなかった
- マス広告しか取り扱っていなかった
という方には視野を広げてみることにより
広告プランが広がったりするかと思います。
故きを温めて新しきを知る
ちょうど今日以下の様なツイートをしました。
ほんとにこれで紙媒体、マスメインの広告代理店だと結構高単価の案件でも、受注・納品がゴールみたいな空気感が、未だにある。そして売り上げを減らしてる。
その割にWEBを毛嫌いして学ばない人が多いから控えめに言ってもブルーオーシャン https://t.co/ZmiwANjXzJ
— さとき (@Satoki_m) 2019年12月10日
ほんとにこれで紙媒体、マスメインの広告代理店だと結構高単価の案件でも、受注・納品がゴールみたいな空気感が、未だにある。
そして売り上げを減らしてる。
その割にWEBを毛嫌いして学ばない人が多いから控えめに言ってもブルーオーシャン
エルモ@広告マーケター(@elmo_marketing)さんのツイートに引用リツイートしたツイートです。
時勢に乗ることに注力することが一番の成果への近道だと思います。
その時勢に乗るためにも、今までの市場の分析や理解は不可欠だと思っています。
今回は広告を例に挙げましたが、他の業界、仕事でも同じ様なことが言えるかと思います。
僕自身紙媒体のルート営業もしつつ
WEBページの制作、アドプランニングの提案、
自身でWEBで発信していたりしています。
質問・意見等有りましたらTwitterのDMやリプライ等でいただけると幸いです。
まだまだ未熟ですが、
何か皆さまのヒントになれるそんな内容になっていれば嬉しいです。
*1:マス広告・・・4大マスメディア(新聞・テレビ・ラジオ・雑誌)を指す
*2:プロモーションメディア・・・看板、交通広告(駅とかにあるやつ)新聞折込チラシ、フリーペーパー、映像などリアル、WEB問わず販促時に発生する広告のこと
*3:出典)メルカリが「折り込みチラシ」を配布した理由/ネットで話題を生むために仕掛けたクリエイティブとは? (1/2):MarkeZine(マーケジン)